そもそも行列ができると、なぜ人はそのお店を注目するのでしょうか?
その理由は、「社会証明の原理」という心理効果が大きくかかわっています。多数の支持を受ける物事のほうが人は受け入れやすくなる心理を言います。また、特定の脳の神経細胞(俗称:ミラーニューロン)が原因で、人は近くにいる人の言動のみならず思考までも無意識にモデリングします。
楽しい人がたくさんいると、楽しい空気が流れますね。
人間は生きるために、良くも悪くも周囲の人たち、そして空気に「感化」されていく生き物なのです。
「同調性バイアス」が高い人ほどその影響を受けます。
このように、「行列のできるラーメン店」などは、集団心理を巧みに利用したプロモーション戦略をしています。そうすることで儲かるのです。味に自信があるお店は、あえて店舗を小さくするなどして行列を作らせ、「売れている空気」を店の外にアピールする戦略をとっているケースがあります。お店の前で「いらっしゃい、いらっしゃーい!」とバイトが声を張り上げなくとも、引力に引き寄せられるように、次々とお客様が寄って行ってしまうのです。
アメリカでは今、この心理学に基づいた設計が多く採用されております。