屋外広告とは、文字通り人々が屋外で触れる広告物の総称で、「OOH(Out Of
Home)広告」とか「Outdoor広告」とも呼ばれます。屋外広告物法によれば、屋外広告の定義とは「常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう」となっています。
屋外広告は屋外に設置され多くの人の目に触れるもので大きな広告効果が期待できる反面、設置のしかたを一歩間違えると景観を壊したり、あるいは通行者の邪魔、事故の原因になったりもしかねません。このため、屋外広告物の設置・維持に関するルールづくりと屋外広告を扱う「屋外広告業」を規制するための屋外広告物法が設けられ、また都道府県単位による屋外広告物規制条例などが定められています。
屋外広告物法とは「良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために、屋外広告物の表示及び屋外広告物を掲出する物件の設置並びにこれらの維持並びに屋外広告業について、必要な規制の基準を定めること」を目的として昭和24年に制定された法律です。屋外広告物に対する制限としては景観法や都市計画法、文化財保護法などと整合性がとられています。
この法律によって原則的に屋外広告物を置くことができない場所を定め、さらに各都道府県に対して屋外広告物の設置を都道府県知事の許可性とする権限を与え、安全性や広告のデザイン・内容、また設置禁止場所など多くの基準を各都道府県の条例に委ねています。
また、都道府県知事の許可を得ない屋外広告物については撤去命令や強制撤去、廃棄、売却などの裁量が各都道府県に対して認められています。またその際に費用が生じた場合は広告物の所有者に費用の負担が命じられます。
このように屋外広告物法とは事実上、屋外広告物に対する制限を各都道府県条例に委ね、条例に法的強制力を持たせるための裏付けとしての役割を果たしています。
各都道府県の屋外広告物条例については
・禁止物件(屋外広告物を掲出してはいけない物件…景観重要文化物、送電塔、道路標識など)
・禁止区域(屋外広告物を掲出してはいけない場所)
・許可区域(屋外広告物を掲出するのに許可が必要な場所)
・表示方法の制限区域…その都道府県の具体的な道路や線路を掲げ、個別に道路等からの後退距離や大きさなどについて制限)
・表示方法の制限物件(電柱や停留所標識を利用する広告物に対して形状や大きさ・取り付け位置・取り付け方法などを制限)
・規制を受けない広告物(適用除外…禁止物件や禁止区域においてやむを得ない事情で例外的に設置される屋外広告物についての制限)
・屋外広告物を掲出するときの手続方法と手続窓口、手続き手順など
・屋外広告業の登録
などについて定められています。
なお、「屋外広告業」とは「広告主から広告物の表示・設置に関する工事を請負い、屋外で公衆に表示することを『業』として行う法人または個人」を指し、各都道府県(政令指定都市の場合は市)に登録していない業者はその都道府県下で広告物の表示・設置に関する工事等は行えないことになっています。